十日目の判決 -完-





少し、教室がざわめきだった。
そうだ、私ら公開処刑だ。




「やだ」


…………。


「は?」



何を言ってるんだ、君は。



「俺別れたくないし、それだといのが苦しいままじゃんか。それこそ俺サイテー。」


椎名はけろっと言いのける。


また、教室はシーンと静けさを取り戻した。


「意味…わからない。」


「いのに怒鳴られたとき、その震える体を抱きしめてやりたいって思った。けど、いのを傷付けた俺がそんなことする資格ないってわかってるからできなくて…」



私は椎名の表情を見る。
そこには不安が見えた気がした。





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