十日目の判決 -完-




「あーもうっ!!何で!!何が!!ああっ!!」


何ともバイオレンスだ。明らかに女のほうは頭ごなしに叫んでいる。


「お、お落ち着けって」


そうだ、落ち着け女。意味がわからん。叫ぶな、耳が痛い。

まず、何が‘‘何なの”か、何が‘‘意味が分からない”のか何が‘‘どういうこと”なのか言いたいことを明白にして話せよ。


「だって!アタシ知ってるのよ!?」


うん。だから何を知ってるんだ。今は放課後だから良いものの、この女の声量といいそうじゃなかったら大注目を浴びていたぞ。

職員室は隣校舎の2階だし、先生たちも気付かないだろう。もしも、そうじゃなかったら大問題だぞ。


それほど女の声は異常だ、ザ・ヒステリックバイオレンス。


「だから、落ち着け」

「はあ!?落ち着けるわけないでしょ!?」


弱々しい男の声に女はさらに声を荒げる。
凄いな、何が凄いのか分からないけどこれが修羅場と言うものなのか。

「ずっと我慢してた!!!何で認めないの!?バカにしてる?!」

「何がだよ…」


そうだ、何がだ。この女はちゃんと日本語を勉強したのか?本気で疑うぞ。
男がそれで理解出来るわけないだろ。




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