十日目の判決 -完-






女は自分のモノだった男が他の女に盗られて悔しいのだろう。男が思い通りにならなくて悔しいのだろう。男と、女が憎いのだろう。


さあ、どうなのか。私には分からん。


たぶん、きっと。この時の涙の理由に一番良いものを当てはめようとすれば、自分ではダメだったという力不足さに反省し、男が浮気をしてしまったのは自分に非があるんだと悲しくてこんな自分でごめんなさいと泣く自分が一番悔しく許せなくて涙が溢れているんだ、と。

これだと、誰がどう見ても心が優しく純粋な女の子なのだなと好感を持つだろう。

だが、人というものは分からぬ。



「…オレは別れたくない」



まじかよ。よく言うな男。



5月の楽しみ、ゴールデンウイークが終わり普段の学校生活が戻ってきた今日この頃。

私のゴールデンウイークは課題で追われてましたよ、はい。ちなみにゴールデンウイーク中では終わらなくて昨日の放課後まで毎日残ってやっとやっつけました。頑張ったぜ、私。


このカップルがどうなるかは分からん。女の泣く理由が別れたくないのだとしたら男と意見は合うだろう。
そうだとしたらそれでいいのだろうか。


私はローファーに両足を入れてつま先をトントンと地面に打ち付けると前を見て歩き出した。





< 5 / 141 >

この作品をシェア

pagetop