十日目の判決 -完-
小学生の頃、私は妖怪スピーカーに誘われて一度一緒に帰った事がある。
ただ、一緒に帰っただけで何もなかったけど。
「なぁ、小学生の頃。私と一緒に帰ったの覚えてる?」
小学校からだと、私と妖怪スピーカーの家は真逆の位置だった。だけどその日妖怪スピーカーは私をちゃんと家まで送ってくれた。
「ん〜?覚えてるよぉ!!ギャハハ!!!」
マジか。ちゃんと覚えていたのか。記憶力は確かなようだな。
「あの時さ、なんで私を誘った?」
小学生の頃からちゃらんぼらんな妖怪スピーカーで、その時から私の中では謎なやつだとインプットされていた。
そんな人に帰り誘われたりしたもんだから少し色々と考えてしまったのは事実だ。
すごくどうでもいい思い出過ぎて忘れてたけど、
どうしてだろう、今…
急に確かめたくなってしまった。
妖怪スピーカーの目を見て口が開くのを待つ。