十日目の判決 -完-





分かったことは、妖怪スピーカーは小学生の時にはもうチャラかった。



教室に戻ると授業にヤル気が出るはずも無く、いつの間にか4時限が終わって昼休みも終わっていた事に気付いたのは結希が教室に戻ってきてからだった。



「いのちゃん、ずっとここにいたの!?」

「あー。うん。結希は昼食べた?」


びっくりした表情で私を見る結希に聞く。


「うん、さっき彼氏とわかれたところ。」


そっか。私は机に頭を伏せた。

あー。どうもヤル気でない。


何で私はこんなにも気分下がってるんだ。


「いのちゃん、具合でも悪い?あたしゼリー持ってるよ、食べる?」

「食べる」


もちろん、今昼休みが終わった事に気付いたのだから私は何も食べていない。

結希ははにかみ笑いをすると私に小分けにパックされているゼリーを渡す。


「ありがと」


机に頭を伏せたままゼリーを食べる私は行儀が悪いだろうか。悪いだろうな。





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