十日目の判決 -完-
放課後になると、隣にいた結希は先生に捕まってどこか連れて行かれた。
あれは雑用頼まれるパターンだな。お大事に。
私はというと放課後になっても机に頭を寝かせていた。
帰るのめんどく……いや、帰ろう。
教室に誰もいなくなったのを感じて体を起こす。
すると、
「いの?」
椎名だ。しまった、さっさと帰っときゃ良かった。
教室に入ってくる椎名を見つめた。
「帰るから待って」
私はそう言って、帰る準備をする。と言っても、結希が私のロッカーから荷物を教室に持ってきてくれていたのですぐ済んだ。
結希よ、感謝する。どこまで君は良い子なんだ。
スクールバッグを持って、教室から出る。私は椎名の前を歩いてくつ箱のほうへ向かった。