十日目の判決 -完-
「ウハッ!ハハハハハッ!!」
わかった。わかったよ。
ローファーはもう気にしない。
君の笑い声を無視する事は出来ないのか。
「木村どうした」
「おっ!いの〜!なんでおれがいのに用があるって分かったの〜?!天才〜?ケケケッ!」
恐るマジ、ハイテンション。ゲゲゲもビックリのケケケだよ。
そして用が無ければ帰ろうとする私を引き止めるはずなかろう。それとも用も無いのに人を引き止めるほど君は馬鹿になったのか。
私は天才ではない。
「木村、離れて」
引っ付くな。話がしにくい。
「はぁ〜いっ!おれね〜。いのにお願いがあるの〜!」
「どんなお願い」
木村と口を交わすのは一年ぶりだろうか。最後に話したのは中3の頃だからそれ以来か。
つい、昨日も仲良く会話をしたかのような親しさ。久々だな。ほんと、そのゲラゲラ笑いも。
木村と私は中学が一緒で高校も一緒になったのだが、何せこの高校はムダにデカいのだいろいろと。そのいろいろもあってか去年一年間、木村と遭遇した事は無い。
けど、木村のことはよく耳にしていた。
2組の木村くんはどえらいイケメンだと。
木村はその容姿で入学式以降超有名人だ。容姿端麗。身長も高い、中学の時も高かったけど成長したのか近くで見るとほんと高い。髪色は黄色だ。ド派手だな、おい。
てかそれ、
校則的にアウトだろ。
久々に見上げる木村の頭は綺麗にセットされていた。