十日目の判決 -完-





結希が教室を出る帰り際、結希は心からの笑顔を見せていた。


妖怪スピーカー、大丈夫だ。
結希の気持ちは君からは動かない。



私は椎名の隣に並んで歩く。

昨日、私は椎名と結希が一緒に帰るのを見ていた。

わざわざ外で待ち合わせをして会ったんだ。


2人の関係が気にならないはずがない。
隣にいる椎名は何を考えているのだろう。


昨日のこと、前にも1度一緒に帰っていたこと。
気になるし、知りたい、何をしていたのか。

だけど、


だけどな、もういいやって。




どこか投げやりになる自分がいる。




どうでもいいって、そう思う私がいる。


どうでもいいよ、たかが浮気。

…浮気ごとき。
誰かが解決しな、こんなくだらないこと。



夕日で空は赤く色付いている。
この、春の終わりが来る感覚…


この匂いは嫌いじゃない。






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