十日目の判決 -完-
妖怪スピーカーと私がやっと会えたのは昼休みの終わり頃だ。
「ギャッハハー!!!!い〜の〜!!!」
相変わらずのパワフルな笑いだ。
誰もいない渡り廊下で私と妖怪スピーカーは話す。
「こんにちわ、昨日話したんだろ?」
結希と、ちゃんと聞いたんだろうな。
「そうそう〜!!!!ケケケッ!結希ちゃんに昨日、椎名って人と一緒に居たよね〜??って聞いたら、居たよってすぐ認めたよ〜!!ガハハッ!!!」
すぐ認めたのか。まあ、2人で帰っただけだしな。
「それで、何で居たんだ」
「おれが最近、一緒に帰らないから何かあるのかと不安だったから相談してたんだって〜!!!ギャハハ!!」
結希よ、それは毎日妖怪スピーカーが尾行していただけだ。
「外で待ち合わせして帰るほど…?」
「それはね〜、たまたま帰りに廊下で結希ちゃんは椎名って人と会って声かけたら一緒に帰る話になって〜2人で学校出るのは怪しまれるからぁ〜!!ケケケッ!椎名って人が先に学校を出て、後から結希ちゃんは学校を出たからそうなったってぇ〜!ガハハッ!」
なるほど。結希は帰ろうとくつ箱に向かっていたら椎名と会って話をしていたら一緒に帰る事になって椎名が先に学校を出て後から結希が学校を出て追いかけたのか。
「おれはちゃんと〜、結希ちゃんの事が好きだよって伝えたしぃ〜!!!!昨日は結希ちゃんの悩みが解決してめでたしめでしぃ〜!!でした!ギャハハ!!!」
あっそ。良かったな、仲直りして。
でも怪しくないか?
椎名と結希はお互いを知っていたのか。
学校を一緒に出るより外で待ち合わせして帰るほうが怪しまれると思うのは私だけだろうか。私だけか。