絆の軌跡
現の夢
「ねぇ、シーファ」
「なぁにおかあさん」
あぁ、あれは六歳の誕生日。
母の作ったケーキを目の前に、そわそわしながら母を見上げる。
「あなたにお願いがあるの…」
何だか悲しそうな笑みを浮かべている。
数秒間私と目を合わせると、不意に向かいにいる父の方に目をやる。
私もつられて父を見た。
真剣な目をしていた。
「シーファ、もし俺達に何かあったら…」
< 1 / 75 >