絆の軌跡



「お待たせしました…!」



家に戻ると、家の中が大分綺麗になっていた。



「おかえりなさい!早かったわね」



それと同時にレオさんも家に入ってきた。



「家畜はとりあえず小屋に入れて入口を補強してきたよ。…準備はいいかな?」


「はい、ありがとうございます。」



仕事の速さに驚いた。


これが大人ってやつなのか。



「じゃあ行きましょう!」



イマナさんの声にみんなで頷く。





外に出るとルティナにじゃれる白い犬がいた。

正しくはカーバンクルである。


白く艶やかな毛並み、狐のような大きな耳、イタチのように細い身体。

しかしサイズは中型犬ほどある。

最大の特徴は額の赤い宝石なのだが、何故か父はこれを犬と言っていた。



「コリー!」



名前を呼ぶと、耳をピクリと動かし駆けてきた。


両手を広げて待っていると、その手をすり抜けてするりと首に巻き付いてくる。



「カーバンクルか、珍しいな」


「友達なんです。…連れていっても良いですか?」



レオさんはニッコリと笑って首を縦に振ってくれた。
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