絆の軌跡
お風呂を借りている間、レオさんがルティナとコリーに餌を与えてくれたそうだ。
寝間着は息子さんのを貸してくれた。
明日は早いから!と、背中を押されながら部屋に戻る。
二人に感謝して眠りについた。
目が覚めると、辺りはまだ薄暗い。
毛布から這い出ると肌寒かった。
下の階から音がしない。
まだ寝ているのだろう。
ベットを降りて軽く伸びをする。
寝間着を脱いでイマナさんが貸してくれた着替えに腕を通した。
息子さんのである白いシャツと黒いズボンはかなりぶかぶかだが、ギリギリ着られる。
ズボンの長さを調節して何とかなった。
ブーツを履いてそっとドアを開ける。
音をたてないように1階を降りて、玄関の扉を開けた。
牛舎に隣接された馬小屋。
「ルティナ…!」
小声で呼ぶとルティナは顔を上げた。
何となく、会いたくなった。
「今日は一日走らせちゃうから…ごめんね。」
長時間走った経験のないルティナと私。
自分は乗っているだけだか、ルティナは私と荷物を乗せて走るのだ。
心配で心配で仕方なかった。
頭を撫でると気持ち良さそうに鳴いてくれた。
一日苦労させてしまうルティナに、心を込めてブラシをかける。