絆の軌跡



「ふふっ…シーファちゃん。」


「は、はい…」



微笑むイマナさん。


あぁ、お母さんもこんな優しい目をしていたな。



「困ったときは人を頼っていいのよ?

頼られるって、案外嬉しいものなの。

…さぁ、準備完了よ!」



ポンっと両肩を軽く叩いて笑う。



「私はお留守番だけど、いつでもあなたの事を想っているわ…息子より!

…なんてねっ」



可愛らしくウィンクするイマナさんに吊られて笑う。



「よし、行こうか!」



レオさんに呼ばれて外に出る。


晴天だ。



ルティナは元気そうに地面を掻き、

ルティナより大きなレオさんの馬は、私の荷物を積んでいるにも関わらず余裕の表情をしている。


レオさんが馬に乗る。


私もルティナの背中に乗る。

鞍を着けて足場が出来た分、乗りやすくなっていた。



「いってらっしゃい!」


「「行ってきます!!」」



手を振るイマナさんに手を振り返し、地を蹴る。



「行ってきます…」



小さな声で呟いて、綱を強く握る。
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