絆の軌跡
「お母さんっ!!っ!?」
ドアを吹き飛ばすように開ける。
中の光景に思わず息を呑む。
ひっくり返った椅子
食器は全て床に散乱し、半数は割れて
引き出しも落ちている。
足の踏み場もない。
でも、肝心な二人はいなかった。
もしかして…寝室?
物を踏まないように寝室のドアの前に行く。
ドアノブ掴んでも、手がそれ以上動かない。
開けるのが怖い…
ドクドクと急速に身体中を駆け巡る血が熱い。
それなのに体温は下がっていくような…
でも確かめなければ。
深呼吸して、一気にドアを開けた。