誘惑の毒林檎
授業中
東田さんを呼んだ
「今日帰れる?」
「うん…」
少しくぐもった声
やっぱり本当なのかな…
放課後
二人で帰ってるのにずっとうつ向いたまま
「ねぇ…」
「なに?」
「俺と帰るの嫌だった?」
「え?…」
驚く顔
てか否定しないんだ
「嫌だったらいいよ。これから帰んなくて…じゃあ俺…」
「まって!どうしてそんなこというの?私…神埼くんと帰れて嬉しいんだよ?
なのにいきなり…
バカじゃないの?」
バカじゃないの?って…
「え…じゃあ…彼氏がなんとかってやつは?」
「彼氏なんていないよ、
あれは怜香ちゃんの勘違い
私は…
神埼くんと帰りたいの!
神埼くんと一緒にいたいの…」
「それって…俺の事
好きなの?」