誘惑の毒林檎
それからは何も話さなかった
どこまで心を許していいのか分からないから
それでも話してくれる神埼くん…
その話は凄く面白いし聞いてて何故かわくわくした
私は思わず笑いそうになってしまった
私は立ち止まる
あんなに私は酷いことしたのに私は……
「…どうしたの?」
「…かえる」
「帰り道…こっちじゃ…」
「あっち」と適当なとこを指差した
「…東田さん来たばかりでわからないかもしれないけど、向こうは危ないよ?」
危なくてもいい
これ以上一緒にいたくなかった
いたらまた罪を犯してしまう気がして、怖い
私は走り出した
すると腕を捕まれる
『…月…葉…行かないで…』
「触らないで!!」
と腕を振り払ってしまった
後ろを向くと悲しい顔をしていた
「…ごめんなさい…じゃあ」
とその道を歩いた