誘惑の毒林檎
「…何読んでるの?」
横を見ると雄二くんがいた
「あ、ごめんね、…俺本好きだからさ」と笑う
「え、お前本好きだったのかよ」
「頼はまず字読めないもんな」
「読めるし!!」
たのしそうだな
本当神埼くんの周りはいつも賑やかだ
「…あ、これって最近凄い売れてる作家さんだよね!」
と本を指差した
「うん、…花崗さん」
「そうそう!花崗さんの作品なら長野をイメージして本…なんだっけな…」
「悲しい月の葉」
「そうだ!悲しい月の葉!あれ物凄い泣けたなー」
花崗さんとは長野に住んでるときから知っていた
その本の主人公の゛葉月 ゛は私をイメージしたもの
「あの言葉いいよね!『世界が二人を探すならもういっそのこと…』ってとこ」