誘惑の毒林檎
俺は本を読む気になれなかった
「……澄…う…あああああああ!!!」
澄ごめん
情けない兄貴でごめん。
見捨ててごめんごめんごめんごめん。
「…ああああああああ゛!」
『…お兄ちゃん…助け…て』
俺はピタリと止まった
「…な、んで…」
片手になぜかがくにはいった写真をもっていた
そして周りを見ると部屋がめちゃめちゃ
俺はいつも…いつも…
大事なものを守れないんだ。
俺じゃなかったら…
俺があいつの兄貴じゃなかったら…
『お兄ちゃん…が…お兄ちゃんで……よかっ』
「うわああああああああ゛」
そんな事言わないでくれ…
俺をせめてくれたほうがよかった…