大切で大切すぎる友達

駅から10分ほど歩いて、校門にたどり着く。


気付けば美人な転校生に興味を持った友人らがまわりに集まってきている。


奏ちゃんはみんなの中心でにこにこと笑ってる。


私は中心から少し離れ、その他大勢組となり奏ちゃんを見てあらためて、美人だなと思った。


あっ、成美ちゃんは他の子と、話してるな。


みんなでがやがやと話しながら、クラス発表が張り出されている中2用の掲示板の前へ。


みんな、おしゃべりをやめて真剣な顔で掲示板を見る。



こういう時押してくる子とか見て性格悪っとか思ってしまう私はひねくれものだろうか。




「かんなちゃん!同じクラスだよ!B組!うれしい!よろしくね!」


そんなことを思ってたら背の高い奏ちゃんが教えてくれた。



「奏ちゃん一緒!?やった!」


結構本気で嬉しい。


みんなからの好奇の目を気にもせずに私のもとへと歩いてくる奏ちゃん。


さっきまで蚊帳の外状態だった私の名前を掲示板から見つけ出してくれたんだ。


「一緒に教室まで行こっか!」


まれにないほど弾んだ私の声は、異様なほどに女らしかった。

o○*:.。..。.。







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