花詞綴り
父が写真の確認をしている間、冬黄は祖父母と話している。
最近のこと、学校のこと、友達のこと…。
そして、福寿草のこと。
「冬黄ちゃん、また突然なんで福寿草を選んだの?
でも私、元気が出るこのお花大好きだけどね」
祖母の質問の答えに迷った。
なぜだっただろう…。
「確か…
並んでるお花の中で一番可愛いと思ったから、
かな。」
確かそんな理由だったと思う。
そんな私の返事を聞いた祖父は言った。
「縁起がよくて、正月の祝いの花として
飾られることもある花だよ。
知らなかったとは言え、
冬黄の花選びは確かだな。」
そう言って笑っていた。
そして側にはいつの間にか写真のチェックを終えた父が母と共に立っていた。
微笑ましい元日の昼過ぎ。
こんな幸せな日々が永遠に続くことを願い、私の髪をゆらした風を目で追い、晴れた大空を見上げた。