血の雫
「ドロップ?
ドロップ、聞こえていたら返事してー!」
あたしは人通りの少ない住宅街を叫びながら走った。
向かう場所とか、決めていない。
ただがむしゃらに、無我夢中で走りまわった。
「ドロップ―――!!」
叫びながら、あたしは泣いていた。
嫌だよ。
嫌だよ。
あんな終わり方、嫌だよ。
あんなんでお別れなんて、嫌だよ!
「ドロップ―――ッ!!」
喉がちぎれんばかりに叫んだ。
普段あたしは叫ばないからすぐに喉が痛くなったけど、気にしていられない。
そんなことよりも、ドロップが心配で仕方ないんだ。
どこにいるの…?
あたしたち、もう会えないの?
ありがとう、も。
好き、も。
言えないまま終わるの……?