血の雫
がむしゃらに走り回っていると、見覚えのある場所に辿り着いた。
大きな木が目立つ、家から最も近い公園。
ここであたしは、
ドロップを見つけたんだ。
太陽に当たってぐったりしていたドロップを。
あたしは公園内に入った。
そして、電灯の近い木の下にいる、彼を見つけた。
「ドロップ!!」
傘を持って、急いで駆け寄り、近くにしゃがみ込む。
ドロップは木の下で雨に濡れながら、目を閉じていた。
手には何故か泥がついていた。
あたしは急いでドロップに傘をかぶせ、その肩を揺すった。
「ドロップ!ドロップ!!しっかりしてッ!!!」
冷え切った体に触れた途端、涙が溢れてくる。
頑張って名前を呼んで揺するけど、ドロップの目は開かない。
あたしはあの時と同じように、ドロップを肩に背負った。
相変わらず、軽い。
ドロップをおんぶしたあたしは、傘をさしたまま、病院へと急いだ。