血の雫
「どこから来たの?」
「どこ……?」
吸血鬼界、なんて言えない。
素直に白状しても良いんだろうけど。
アッサリ自分の正体明かしちゃ駄目だしなぁ。
「さぁ……」
僕ははぐらかすことにした。
女は不思議そうに首を傾げた。
「名前は?」
「……ドロップ」
「ドロップくん?
変わった名前だね。
名前と見た目からして…外国人かな?」
確かに僕の見た目は、人間とは似ても似つかない容姿をしている。
銀髪に青い双眸なんて、人間では珍しいだろう。
当たり前だ、僕は人間じゃないのだから。
「お父さんとお母さんは?」
「……いない」
父さんは吸血鬼界にいる。
母さんは、随分前に亡くなった。