血の雫








「そういや俺聞きたかったんだけど」

「何?」

「ドロップと木之上って付き合っているのか?」




直球すぎる橋本くんの質問に、ドロップが途端に顔を真っ赤にした。




「お?
答えないってことは、図星か?」

「……そ、そうだよ。
あ、アキナは僕の彼女だから…。
手、出しちゃ…駄目だよ?」




ドロップのはにかんだ笑顔に、あたしは顔が真っ赤になるのが自分でもわかった。

クラスメイトが「ヒューッ」と冷やかしてくる。




「そ、そういえば…良いの?」

「何がだ?」

「ぼ、僕が…このクラスにいても」

「当たり前だろ!」

「ま、前に言ったことは…嘘じゃないよ?」




そうだ。

能力でテストやバスケの試合をしたことはドロップの嘘だって気が付いたけど。

ドロップが吸血鬼で人間ではないことは、本当のことだ。

正直、ドロップが以前言われた“化け物”と言うのは…わからないでもない。

そう思う人は、少なくないはずだ。





「お前がこの教室にいると、自慢できるだろ。
俺、吸血鬼と友達なんだーって」




橋本くんがハハッと笑う。

そ、そんな単純な理由で……?








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