血の雫








☆☆☆





「もう、朝は驚いたよ」

「ごめんね…」

「でも良かった。
ドロップと一緒にいられるんでしょ?」

「勿論」




学校からの帰り道、ドロップと歩く。

またこの道を卒業するまでドロップと歩けるんだと思うと、嬉しくてたまらない。

あたしは自分でも大胆だと思うほど、ドロップの手を握った。





「ありがとう。
アキナのお蔭だよ。
本当お礼を何度言っても足りないよ」

「あたしも!
ドロップに会えて、凄く嬉しい!」




ずっと寂しかったんだ、あたし。

両親はいないし、親しい友人もいなかった。

いつしかそれに慣れてきていたんだ。




だけど、今は全く寂しくない。

ドロップが傍にいるってことが、とても嬉しいんだ。

幸せだって、思えるんだ。








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