血の雫
第2章

★躊躇い










★ドロップside★





目覚めて、僕は溜息をついた。




そうだ。

人間界にいるんだ。

何で吸血鬼界にいるはずの僕が、こんな所にいるんだか。



そういや、お腹空いたな。

…何食べようか?



吸血鬼界にいた時は、ルカさんがご飯を作ってくれていたから。

僕はご飯なんて作れない。

てか、食べるような食材が僕には取れない。



ちなみに僕たち吸血鬼が食べるご飯の話は、しないでおく。

あんまりベラベラと話せるようなものではないから。



ルカさん、というのは…代々ムーンライト家に仕える、人間界でいうメイドみたいなもの。

結構吸血鬼界の中でも1位2位を争う美人だ。

吸血鬼界の女は基本美人だけど、ルカさんはまた別なんだよな。






「ドロップくん」




ひょこっと扉を静かに開けて顔を出したのは、先ほどから話している黒髪の女。

そういや名前を聞いていないや。

…別にどーでも良いことだけどね。







< 18 / 141 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop