血の雫
★居候
朝、カーテンをシャーッと勢いよく開ける音で、僕は目が覚めた。
正確に言えば、カーテンを開けたことにより僕の体に容赦なく照りつけられた、真夏の太陽のせいなんだけど。
「うわああっ!?」
「うわっ!?」
目を開けた途端、痛いほど差し込んできた太陽の陽ざしに、僕は叫び声を上げた。
そして勢いを付けたため、ベッドから転げ落ちた。
思い切りお尻を打ち、「いたたた……」とさすった。
「ど、どうしたのよドロップ。
大丈夫?」
カーテンを開けた張本人―――アキナが不思議そうな顔で僕を見つめる。
大丈夫なわけないだろ!
僕は太陽に弱い吸血鬼なんだから。
下級より強いけど。
…とは言えないので。
「眩しくて、驚いてしまったんです。
ごめんなさい、朝から脅かして…」
「あ、ごめんね。
いつも気にせず開けているから、癖になっちゃったみたいで。
これからは静かに開けるからね」
「……ありがとう」
本当は、カーテンを開けないでほしいんだけど。
そんなことは言えないので、僕は苦笑いを返した。