血の雫
★能力
★ドロップside★
アキナが僕を連れてきた場所は、裏庭だった。
草が生い茂っていて、確かにここは人通りが少ないだろうな。
「ここ、拓ちゃんが教えてくれたんだー」
「そっか。
あの人、この学校の卒業生だっけ?」
僕の制服も、宇津木拓也の使っていた制服だって、アキナ言っていたよね。
大きくもなく小さくもなく、丁度良いサイズだ。
「こんな所、よく見つけたね…」
「拓ちゃん、今は医者として働いているけど、昔はかなりの問題児だったみたいだよ。
よく授業とかもサボって、ここでサボり仲間と話していたんだって」
「そうなんだ……」
アキナが石で出来た古びた長椅子に座ったので、僕もその横に座る。
石は2人座っただけでいっぱいになるほどの小ささで、僕とアキナの体がくっつく感じになった。
隣のアキナがくっついている僕を見て、途端に顔を真っ赤に染めた。
「ご、ごめん!僕立っているね!」
「い、良いよ立たなくて!
ドロップ疲れたって言っていたから、ドロップが座っていなよ。
あたしが立つからさ!」
「アキナは立たなくて良いよ!」
暫く言い合いが続く。
このままじゃ、埒があかないな…。