血の雫
ねぇ。
あなたはどこの、何者なの?
どうして記憶を失ってしまったの?
そっとその寝顔に問いかけてみる。
まぁ勿論だけど、返事はない。
あたしはドロップの頭に、自分の頬を乗せた。
ドロップの銀色の髪が、ふわりと頬に当たる。
あたしの家のシャンプーのにおいがして、あたしの家にいるんだなと実感出来る。
そういえば、授業サボっちゃったな。
初めてのことだなぁ。
先生に怒られるかもしれないな。
あたしは一人、苦笑した。
転入早々注目を集めたドロップとこうやってサボったんだ。
女子にも何か言われるだろうな。
少女漫画みたいな嫌な展開も、あるのかもな。
でも、あたしはドロップの傍にいるのを、やめたくない。
あたし…ドロップのこと…好きに、なっているのかな?
傍にいてほしい、とか色々感じているもの。
前のあたしだったら、あり得なかったもの。
ドロップ…好き。
あたしの傍に、ずっといて。
あたしを、一人にしないで……。