血の雫







「…ドロップ、楽しそうだから」

「え?」

「さっきドロップ、友達いなかったとか言っていたじゃない?」

「……うん」





まぁ、事実だからね。





「それなのに、今は凄く楽しそうに見えたんだ。
ドロップは学校生活、まんざらでもなかったんだね?」

「実験は好きだったからじゃないかな?
その他には良い思い出とかないよ」




そこまで話したところで、採点が終わったらしく担任が立ちあがった。




「テストの結果だが、まずまずだ。
平均点は50点で、100点は1人だ」




「100点は誰ー?」と声が上がる。

何で気になるんだろうか?

他人の点数なんて、興味ないと思うんだけど。




「ドロップ。
お前が100点だ」




クラスメイトの視線が、一気に集まる。

僕は意識的に口角を上げ、頭を下げた。

そして前にテストを取りに行く。




何だろ。

素直に喜べないや。

やっぱり、僕自身の実力じゃないからかな?

…これからは素直に、自分の力で解くべきだな。




僕はそう、感じたんだ。








< 70 / 141 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop