血の雫
「…ドロップ、楽しそうだから」
「え?」
「さっきドロップ、友達いなかったとか言っていたじゃない?」
「……うん」
まぁ、事実だからね。
「それなのに、今は凄く楽しそうに見えたんだ。
ドロップは学校生活、まんざらでもなかったんだね?」
「実験は好きだったからじゃないかな?
その他には良い思い出とかないよ」
そこまで話したところで、採点が終わったらしく担任が立ちあがった。
「テストの結果だが、まずまずだ。
平均点は50点で、100点は1人だ」
「100点は誰ー?」と声が上がる。
何で気になるんだろうか?
他人の点数なんて、興味ないと思うんだけど。
「ドロップ。
お前が100点だ」
クラスメイトの視線が、一気に集まる。
僕は意識的に口角を上げ、頭を下げた。
そして前にテストを取りに行く。
何だろ。
素直に喜べないや。
やっぱり、僕自身の実力じゃないからかな?
…これからは素直に、自分の力で解くべきだな。
僕はそう、感じたんだ。