血の雫
「ドロップ…?」
「アキナ、帰ろう?」
「……うん」
僕らは校門を出て、家へ向かって歩きだした。
「アキナ。
僕らは…変、なのか?」
「変じゃないよ。ただ…」
「ただ?」
アキナは顔を再び真っ赤にした。
まるでトマトだ。
「け、結婚を意識していない男女が一緒に暮らすのは…世間的には、不思議なのかなぁ?」
「結婚を意識していない男女…?」
「うん。
結婚を視野に入れて一緒に暮らしている男女なら、この世に沢山いると思うの。
だけど結婚なんて考えていない、しかも未成年が一緒に暮らすのはあんまりないことだよ」
そうなんだ…。
「でも、あたしとドロップみたいな関係は悪くないよ。
橋本(はしもと)くんは、あたしたちが一緒に暮らしている事情を知らないから、あんなに笑えるんだよ」
「橋本…?」
「さっきの男子。
人の噂話とか大好きで有名なんだよ」
そうなんだ…。
人間って、奥が深いんだなぁ……。