血の雫
僕はアキナから離れる。
でも、牙を見せることは止めない。
「本当はクラス全員の血も吸いたいところだけどねェ?」
「「「ヒッ!!」」」
「そんなに怖がられると、吸う気失せるから、やめておくよ」
僕は鞄を肩に掛けた。
「それじゃ。
退屈極まりなかったけど、暇つぶし程度にはなったよ。
僕が良い成績取ったりバスケの試合で活躍するたびに騒いで。
あんなの能力使えば簡単に出来るのに、いちいち騒いじゃって。
本当人間って、よくわからないよねー。
あれは僕の実力だと思った?
実力なわけないじゃん。
あんなの、吸血鬼が皆持てる能力を使えば、簡単に出来ちゃうの。
あんなに騒げるなんて…オメデタイ連中だね?」
クラスメイトの表情が、みるみる怒りに変わっていく。
橋本なんて今にも僕に掴みかかりそうな勢いだった。
まぁ他の男子に止められていたけどね?
「アキナ。
君の血は美味しかったよ。
本当手ぶらで帰るのが勿体ないぐらい。
また今度出会った時は、アキナの美味しい血、全て飲み干してあげるから。
覚悟しておいてね?」
僕はフフッと笑うと、教室を出た。