妖精的な彼氏
「あはっ、タケル君それなら、お店の人に言って戻してもらえばいいじゃない。」

アタシが言うと、タケル君は心底驚いたような顔で、そんなことしていいの?、と言った。

ふふ、ホントは(多分)事前に言わなきゃならないんだろーけど・・・・・・。

実は・・・・・・

「ここの人、アタシの従兄なの!」

アタシがタケル君に言うと、箔兎さんはにっこりと笑った。

「何時もナズがお世話になってます。」

アタシは、ハッとしてぺチンと箔兎(ハクト)さんの頭を叩いた。

「ちょ、箔兎さん!ナズって呼ぶのやめてって言ったじゃん!」

あはは、と笑いながらサラッと箔兎さんはタケル君に近寄った。

――あっ!ヤバッ!(汗

アタシは急いで箔兎さんを止めようとタケル君の元に走ったが・・・・・・。

遅かったーっ!

「へぇ~~、君がタケル君かぁ。噂は聞いてたけど予想以上に――」

タケル君、今すぐ箔兎さんから離れて・・・・・・。

じゃないと、じゃないと―――、

アタシの思いを知ってか知らずかタケル君はにこやかに箔兎さんに近づいた。

ああ、箔兎さん。

何時もの"アレ"だけはやめてくださいっ!

そんなアタシの願いも叶えられず箔兎さんは"アレ"を言ってしまった。

「よ、予想以上に萌えー!」
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