妖精的な彼氏
「気持ち悪いだなんて、思わないよ?」

ふわっ、とそれこそ"天使"のような笑顔でタケル君は言った。

よかった・・・・・・。

「よかったーーーっ」

アタシは、心底ホッとした。

そんな時――、箔兎さんが、不意にタケル君の手を離して言った。

「ナズ、もうすぐ花火始まるけど、いかなくていいの?」

あっ・・・・・・!

やばい、忘れてたっ!

「タケル君、行こう?」

アタシがタケル君の服の裾を引っ張ると、タケル君は何故か頬を染めた。

なんでかな・・・・・・?

ま、いっか!!

「行こ!」

アタシはタケル君の手を握った。
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