妖精的な彼氏
「ねぇ、聞いてるんだけど。なずなさん・・・・・・?」

ああ、この猫かぶりな声も嫌いだ。

虫唾が走る―――「聞いてんのかって言ってんだよっ!梓川っ!」

きいいん、と耳が痛くなった。

「聞いてますよ。」

アタシは言った。

最近ずっとつけられてると思ったのは、この人たちのせいだったのか・・・・・・。

アタシは、どうやって逃げようか考えていた。

が、その考えは脆くも崩れ去る。

ガキン、という音と共に鍵が閉められた。

脱出、不可能・・・・・・。
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