妖精的な彼氏
――ガスっ、ドスっ、と鈍い音が断続的に続いていた。

「うっ、がはっ・・・・・・。」

唇が切れたのか鉄の錆付いた味が口内に広がった。

目隠しをされているため、ここがどこなのかわからない・・・・・・。

そのとき、ピロ、とアタシの着信音が鳴った。

ちなみに、アタシはその人によって着信音を変えているので、音だけでわかる。

(例えばBLUE BIRDなら箔兎さん。disranceなら瑠々亜)

この音は・・・・・・タケル君?

そういえば・・・・・・明日、瑠々亜と仕草和君とタケル君とアタシで勉強会するから・・・・・・それで電話くれたのかな・・・・・・。

着信音に気づいた高城さんがアタシのケータイを乱暴に開いた。

直後、耳を劈くような笑い声が部屋に響いた。

「あはははははははははは!タケルだよ!・・・・・・タケル君に好かれてるって思っちゃってるワケ?心配してくれてるって・・・・・・思ってるの?」

アタシはもう、答える気力がなかった。

だが、高城さんは続けて言った。
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