たとえどんなに。
私の中に芽生えた感情は

高望みをし

付き合いたい。

そんな欲を含み大きくなる。

陽菜・・・ごめん。

本当にごめんなさい。

罪悪感が大きくなり

目から流れ出す水滴。

驚いたように私を見る葵と

優しいまなざしで私を見つめる梢

「気づいちゃったんだね・・・」

悲しそうに告げた梢がはかなげに瞳を揺らした

「ごめん・・・」

沈んだ声で葵が梢に言葉を放った。

「仕方ないよ。

 誤魔化そうとした私も悪かったし・・・」

優しい瞳を葵に向け

梢は悲しそうにほほ笑んだ。

梢と個室に戻った。

久しぶりに一緒の布団で寝た。

睡魔に襲われ、私の視界はぼやける

最後に私の瞳に映ったのは

梢の今にも泣きそうな顔

「ごめん、亜夢・・・

 私が必ず守るから。」

聞こえた言葉は夢か現実か。
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