たとえどんなに。
なかなか帰ってこないみんなに

私は不安を覚え、

階段をおり、下まで見に行った。

聞きなれた透き通る琴の笑い声。

今でも、鮮明に覚えている。

みんなの声のする部屋をのぞくと

萌李、琴をはじめとする

バドミントン部のみんな。

靖をはじめとする

同じ学校男子バドミントン部の子

他中の靖の男友達がたまっていた。

靖の手には

私の手紙。

・・・破られた・・・

悲しくて、苦しくて。

視界がぼやけて。

最後に見えたのは

ばらばらになった手紙を

無残にゴミ箱に投げつける靖。

ゴミ箱の上をきれいに舞う

私の思いをつづった手紙と、

それを見て笑いあう

私のそばにいた人たちの顔

それだけだった。
< 11 / 172 >

この作品をシェア

pagetop