たとえどんなに。
「助けて」

今まで言わないようにしてきた言葉。

迷惑をかけるってわかるからこそ

巻き込みたくないからこそ

誰にも言えなかった言葉を

私はいとも簡単に佑馬に言いそうになった。

でも、佑馬には知ってほしかった。

助けてくれなくてもいい。

支えてくれなくてもいい。

だけど、私を理解してほしかった。

「殴られてる。」

一言言ってしまった・・・

そしたらもう止まらない。

涙も言葉も絶えず出口を探した。

ハンモックの上で冷たい風に揺られながら

輝いている星を見た。

やっぱり好きだな・・・

そう感じてしまった。

梢にも言えないことさえ

佑馬には言いたくなってしまう

梢にも言えない悩みさえ

佑馬なら受け止めてくれる。

そんな期待を抱いていた。

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