たとえどんなに。
なんの会話をしたのか気になったのに

梢は何も教えてくれなかった。

『約束』『宣戦布告』

と誤魔化し、曖昧に話を終わらせた。

でも、私のためにそこまでしてくれた梢に

私は無言で抱きついた。

驚いた顔をしたもののいつもの優しい顔に戻って

私の頭を優しくなでた。

梢は一度言いだしたら聞かない。

梢に会話の話を聞くのは諦め、

佑馬に聞く。

佑馬も曖昧に言葉を濁す。

『約束したぐらい』

『教えなーい』

二人の秘密みたいで悔しかったのかも

必死になって馬鹿みたいだよね。

そうだよ、必死だよ。

大好きな人が戻ってきてくれたから

一緒にいたくて必死だよ。

もう同じ言葉聞きたくなくて必死なんだよ。

かっこ悪いって笑う?

年上のくせにって笑うかな?

それでもいい。

笑われてもいい。

それであなたが隣にいてくれるなら。
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