たとえどんなに。
やっぱり私は傷つけてしまうんだ。

冷静に彼を見つめる自分を

私は怖いと思った。

なにもしゃべらずただ涙を流す彼の姿が

聖夜の暴力に耐える私と重なった

油断したら涙が出そうになった。

泣き崩れる祐馬を支える私。

私は無言で彼をあやす。

涙をふき、顔を上げた彼に

私は精いっぱいの笑顔を向けた。

いま彼に涙を見られたくない

そしたら佑馬も傷つくから

もう、あんな泣いた顔は見たくない

私の問題だし。

巻き込んじゃいけない。

そしたら私は・・・

彼を頼りすぎてしまう。

彼を傷つけてしまう。

そんなことなら。

私が背負う。
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