たとえどんなに。
佑馬とのお出かけから帰って

個室に行くまでの廊下で私は竜たんに声をかけられた。

辻 竜

私たちと同じ中学三年生。

「なあ、亜夢。

 こんどモールいかねえ?」

「別にいいけどー。」

そんなやりとりをして私は個室に入る。

そして朝のことを思い出し

私は闇の世界に浸る。

朝、携帯の着信音で目が覚めた。

「もしもし・・・」

夢の中に戻りたいのを我慢して電話に出る。

「もしもし、亜夢ちゃん。

 今、ヤッて起きたばっかりとかー?」

下品な笑い声を残し切られた電話。

ああ、何回目だろうか。

無言電話から始まり

イタ電へと変わっていった。

本当は誰かに相談するべきなんだろうけど。

言いたくない。

迷惑かけたくない。

その気持ちが大きくて誰にも言えてない。
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