たとえどんなに。
お風呂から出ると

梢から携帯が手渡された。

疑問を覚えつつも暇メールを再開する。

彼は知っていた。

私の悩みを。

聖夜の電話のことを・・・

彼は知るわけがない。

携帯の着歴はすべて消した。

今日も感情は顔には出していない。

彼はそんなこと知る由もない。

はっと頭に浮かんだ人物は・・・

梢。

梢を問い詰め聞き出す。

「ごめん・・・」

視線を落とし謝る梢に私は安堵した。

梢は知ってくれてるんだ。

頼れる人がいて何となく安心

そんな気持ちを持っていた。

「亜夢には私たちがついてるんだから。

 いつでも頼ってよ。」

そう意気込んで言ってくれた梢に涙が出そうになった。

佑馬からの

『苦しいことは二人で考えよ』

そんなラインで涙が出て、

泣きだした私をなでてくれる梢が隣にいた。
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