たとえどんなに。
竜たんは私の服を少しずらし、

私の首元に顔をうずめた。

キモチワルイ

感情は生まれても、行動には映らない

昔、カズ先輩に抱いた恐怖心があふれ出す。

怖い怖い。

助けてほしいのに

声が全く出ない。

竜たんならやめてくれる。

そう信じていたのにやめようとはしてくれない。

肩に痛みを感じてみると

赤くなった箇所がたくさん。

これ・・・

竜たんのキスマーク・・・

もう、ひたすら泣くしかなかった。

もう駄目だ。

本気でそう思った。

「竜たん・・・」

始めて口から出た消え入りそうな言葉。

彼は行動を止めた。

私の顔を見て、

驚いたように目を丸くした。
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