たとえどんなに。
「よく頑張ったね。」

そう言って私の頭をなでる梢に私は

にこ

よわよわしい笑顔を見せた。

これは梢の知ってる私の合図。

そして薔薇さんからの提案。

泣きたいとき、表情に出さない私に

「未来に向かって笑え」

そう言った薔薇さん。

私は辛くても笑う。

泣けと言われてもきっと笑う。

泣いたって何も変わらないから。

泣いたところで過去が変わるわけがない。

だったら、未来のために笑ってやる。

笑った私を梢は

力いっぱい抱きしめてくれた。

梢も私を見て笑った。

そして冷蔵庫にしまってある

大好物にシュークリームを分けてくれた。

いつものように暇メール

いつもと変わらない日常を演じた。

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