たとえどんなに。
掴みかかろうとした私を察し

後輩数人が

私の腕をつかみ

それを阻止した。

『触んな

 どうせ、お前らも知ってたんだろ』

私の中に芽生えた黒い感情

今までどこかに隠れていた

醜い感情が顔を出した。

『みんな、知ってたんだろ』

『みんな、わかってたのに

 私に告白させたんだろ』

『私の行動見て、嘲笑ってたんだろ』

『私で遊んでたんだろ』

黒い感情が次から次へと流れ出す

腕を掴んでいた後輩をにらみつけ

集団の真ん中を私は

無表情、そして無言で歩いて行った。
< 15 / 172 >

この作品をシェア

pagetop