たとえどんなに。
決まって言われる別れの言葉。

「ごめん、陽菜が忘れられない。」

そんな繰り返されている台詞でも

もうなにも聞こえない。

もうなにも・・・。

前日までのその言葉は

陽菜へのだったんでしょ。

私は陽菜の身代わり。

そうやって身代わりだってことも知らずに

私はその言葉を信じ込んだ。

馬鹿でしょ。

気づかないなんて。

あほみたいでしょ。

それでも良かった。

そばに入れるならそれでも。

遊びでもよかった。

佑馬と笑いあえるなら。

隣に入れるなら。

それでも良かったんだよ・・・
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