たとえどんなに。
「炭酸あったよー」

炭酸を手に走ってくる亜夢。

その輝いた笑顔。

「葵、飲みたいよねー。

 はいどうぞー」

ふられた炭酸を葵に手渡す。

ひきつった笑顔で亜夢の炭酸を受け取りながら

葵は息をのんでふたを開けた。

案の定炭酸はあふれ、

葵はびしょびしょ。

周りは憐みの目を向ける中

亜夢は楽しそうに葵を見て笑う。

葵も亜夢の笑顔を見て

穏やかな顔を亜夢に向けた。

これ、亜夢以外がやったらすごいことになるんだろうな。

なんて思いながら近くのタオルを葵に渡した

そしてひと通りみんなで騒ぐと

亜夢は携帯を手にした。

「暇メールの時間だなー」

私と葵でからかう。

顔を赤くして彼女はわらった。

周りがぎゃあぎゃあ騒ぐ中

本に視線を落とした私と葵にもたれて

亜夢は携帯に没頭した。


< 168 / 172 >

この作品をシェア

pagetop