たとえどんなに。
「ここにはさ、闇とか

 家のことで悩みを持った子が集まってるの。
 
 さっき通ったのが薔薇さんの住宅。

 あれがファニーズの本館。

 あっちが別館。」

仮設住宅が本館で

ツリーハウス。

「家に帰れないときとか、

 家にいたくないときにために寝泊りも

 できるようになってるんだ。」

そう言って梢は悲しそうに笑う。

梢、何か背負っているんだ。

私は察した。

「来たいときに来て、

 帰りたいときに帰る。

 召集があったらなるべく集まるんだ。

 月一の誕生会とかね。」

ファニーズのメンバーの誕生日を

月一でお祝いするらしい。

「薔薇さんの気分で料理教室とか

 茶道、華道とか教えてもらえるんだ。」
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