たとえどんなに。
私は本館に通った。

私に目も向けず本を読み続ける梢。

その横は私の特等席。

私に声もかけないくせに。

私が梢にもたれると必ず支えてくれる。

そんな梢が大好き。

靖を思い出して泣きそうな時も

そばにいてくれて。

何も言わずにただそばにいる。

それが梢なりの優しさ。

私が話せば必ず聞いてくれる。

慰めてくれる。

靖の苦しみも理解してくれて。

琴や萌李のこともわかってくれる。

いろんな汚い思いをもった私を

ぎゅーって抱きしめてくれて

こんな醜い私すべてを好きだよ。

そう言ってくれる。

そんな梢。

一見冷たそうな梢だけど

大切にしてくれるお姉ちゃんみたい。

私は梢が大好き。
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